シン・赤ずきん~童話は童話~

シン・赤ずきん~童話は童話~
シン・赤ずきん~童話は童話~

作/保邑リュウジ
演出/獅堂裕樹(純真舞台)

2023年12月15日(金)〜17日(日)

御茶ノ水KAKADO

CAST

咲乃奈緒(Descris.)
北崎有紀(Descris.)
直井サクラ
AYUTO(MESSENGERS HOUSE)

由良瓏砂(YScompany)
溝端亮
西村なごみ
大津寄奏子(YScompany)

井村友紀
芳尾孝子
伊藤美奈(株式会社フェアリーテイル)

あらすじ

大学の童話研究会のメンバー・麻里達は、訪れたテーマパークの森の中の暗闇で離れ離れになってしまう。辿り着いたのは、童話「赤ずきん」の物語の世界。麻里は赤ずきんと出会う。しかし、森で展開されていたのは「赤ずきん」の物語だけではなかった。複数の物語が交錯し、やがて1つになった場所にいたのは、赤ずきんの腹違いの妹・青ずきんと、未来からやってきた赤ずきんのもう1人の腹違いの妹・防空ずきん。それぞれの思惑から、物語は思わぬ方向へ。そして明らかになる、登場人物達の本当の姿…。
果たして麻里達は、この物語をハッピーエンドに導き、元の世界へ帰ることができるのか?
あり得ないけどあり得たかも知れない、何がホントかウソなのか分からない、純真舞台版「赤ずきん」。

コメント

純真舞台としては、初めての演劇公演。同年11月に別の劇場で第1回公演を行うはずであったが、コロナ明けの活況と人手不足でスタッフが捕まらず、泣く泣くキャンセルした。その代わりに行われたのがこの公演である。「第0回」としているのは、あくまでも劇場での演劇公演を「第1回」としたかったためである。
そうはいっても、お客様にご覧いただく以上は手は抜けないため、ライブハウスという制約を何とか乗り越えて、劇場公演と同じ位のクオリティで、同じ位のインパクトを与えることを考えた。

フィーチャーしたDescris.はツインボーカルユニットである。この年の春、獅堂が純・真リーディング出演者が出演したアニソンライブに行った際、「ストーリーテラーユニット」という一風変わったコンセプトで活動するDescris.を知り、何かコラボレーションができるのではないかと、声をかけたのが企画のスタートだった。彼女達のオリジナル曲のうち、「嘘つきのララバイ」が童話「赤ずきんちゃん」をイメージして作られており、赤ずきんのストーリーは大抵の人が知っているだろうということで、この曲を核として物語を作ることを、脚本家にはお願いした。ちなみに、赤ずきんに対しての「青ずきん」という設定は、彼女達のステージ衣裳のイメージカラー(咲乃さんがピンク、北崎さんがブルー)から発想を得たものだ。

キャスト集めは、いつものように知り合いから、知り合いの知り合い、と辿っていく方法になったが、防空ずきん役の直井サクラさんは、やはり僕が、純・真リーディング出演者が出演した舞台を見に行って、印象に残った彼女にオファーした。いつも陰ながら応援して下さる芳尾さんは久し振りの出演。純・真リーディング出演者からは、他に由良さんと大津寄さんも出演した。
顔合わせの日、全員揃ってはいなかったものの、脚本を読んでもらった時、僕を含むその場にいた全員が、どの人もその役にピッタリの雰囲気や声を持っていることに驚いた。特筆すべきは、この座組みは声がいい人が多かったことであろう。

稽古も比較的順調に進み、最終盤に舞監さんのアイディアで出はけを変えたため、ほぼ全てのシーンに変更が出たが、それも全員の力で乗り越えた。座組の雰囲気も良く、芝居に取り組む姿勢は前向きで、稽古序盤にPVのレポーター役で来た逢坂美華さんが、「稽古とは思えない気迫に圧倒された」とカメラの前で語っている。
お陰様で集客も伸び、毎回ほぼ満席のお客様の前で上演することができた。舞台を客席に張り出したため、客席がやや窮屈になってしまったのは申し訳なかったと思う。
今回、「レジャパス」というサブスクのサービスにも参加し、15席を用意したが、そのうち12席が売れた。この方達は所謂「関係者」ではない。新規顧客の獲得という意味では、意義深いものがあった。

役者の熱量も高く、お客様からの評価も概ね肯定的なものが多かった。役者1人1人に対してのコメントを書くと長くなるため割愛するが、Descris.の2人は勿論のこと、オオカミ役のAYUTOさんや、防空ずきん役の直井さん等が、特に高評価を得た。劇中歌に初挑戦にして初ハモりだった直井さんと西村さんは、歌唱指導を経て、本番をやり遂げた。
これを機に、Descris.のライブに行きたいというお客様もいらっしゃった。また、前回に引き続き、チェキ会で全キャストとツーショットを撮って下さったお客様もいらっしゃる等、大いに盛り上がった公演だった。
「再演希望」の声も出るほど、次回の第1回本公演に確実に繋がる、純真舞台の金字塔的な作品になった。

シン・赤ずきん~童話は童話~
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(写真 ©がんもと)

PV